不運続きの1週間、流れを変えるコツとは



 今週は何一つうまくいかなったという経験は誰にもあるだろう。会議で失言したり、後悔するような靴を履いて来たり、友人の誕生日を祝うディナーに参加できなかったり、水たまりに携帯を落とすといった具合だ。

 そんな散々な週でも、形勢を逆転させることは可能だ。すべての不運を払いのけることはできないが、自分の対応を変えれば、非常に力強い結果を得ることは可能だ。

 テクノロジー企業幹部のソニータ・ロントーさん(サンフランシスコ在住)は今月、プレゼンテーションをすることになっていたニューヨーク州オールバニへの出張で相次ぐ不運に見舞われた。飛行機の遅れでシカゴへの乗り継ぎ便に間に合わなかった。航空会社は荷物を乗継便から降ろすことも、ホテル代を払うことも拒否したので、ホテルを探して着替えなしでチェックインした。眠りにつこうとしていたときコップの水を携帯にこぼし、仕事の電子メールへのアクセスが切断された。

 次の朝、早朝便に乗ろうと空港に急ぎ、ノートパソコンの充電器をホテルの部屋に置き忘れた。オールバニに着くと、荷物はまだシカゴにあると言われた。「本当に、叫んで切れたくなった。でも、そうすればもっとストレスがたまると自分に言い聞かせた」と話す。

 ロントーさんはパニックに陥る代わりに、コントロールを取り戻すために具体的な行動に出た。急いで店に行き、新しい服を買って、公衆トイレで着替えた。冷静さを保つことで、「より良い対応ができ、他人にもうまく対処できる」。それによって他人が手を貸してくれやすくなるとロントーさん話す。さらに、冷静さを保つことで、「目の前の課題に集中でき、最終的には何とかなるという確信が持てるようになる」

 ロントーさんが心を落ち着けた一つのやり方は、鏡を見て、自身の焦点を不運な出来事から楽観的な見方に切り替えることだった。「よくある朝にすぎない。すべてうまくいく」と自分に言い聞かせた。会議に出席し、ノートパソコンの充電器を借り、プレゼンテーションはうまく行った。

 テキサス大学(UT)オースティン校とノースウエスタン大学の研究者たちによる2008年の調査によると、不運な出来事が続くと人は不安になって確信が持てなくなり、コントロール感覚を取り戻す方法としてパターンを見つけようとすることが多い。

 こうした時には、不運はランダムに起きる場合が多いと思い出すことが重要だ。シカゴ大学経営大学院のジェイン・L・リーゼン准教授(行動科学)は、複数の悪いことが同時に起こる可能性は常に存在すると指摘する。

 しかし、多くの人々は因果関係が存在しないところに因果関係を見出そうとする傾向がある。こうした人々は中立的な出来事を悲観的に解釈したり、「万物から罰せられている」といった呪術的思考に陥ったりもする。

 一方、自分自身が幸運だと考える人も、これとは異なる反事実的思考をしているという。英研究者リチャード・ワイズマン氏が数年前に400人を対象に実施した有名な研究によると、こうした人々はもっと悪いことが起こったかもしれないのに実際には起こらなかったと考え、それをありがたいと感じている。たとえば、運転中に追突されたとき、「車がぺしゃんこにならなくてラッキーだ」と考れば、不運という感覚が和らぐかもしれない。

 ちょっとした不運にあまりにもあわてて、事が悪化することもある。英レスター大学のジョン・モルトビー上級講師(心理学)が率いて実施した13年の調査によると、自分には運がないという考えは、意思決定能力や自制心、一つの作業からもう一つの作業に移る能力などの欠如に関係している。

 同調査では334人の参加者に対し、自分たちが幸運だと考えるか、不幸だと考えているか質問した。その後、複数の認知的作業について調査や試験を実施した。

 自分たちが不運だと考えている被験者は、自身には実行能力が欠けていると考えていた。こうした被験者は、ランダムな文字列中の文字や数字、記号を分類する時間制限付きの作業切り替えテストで成績が悪かった。衝動的反応を制御する能力を測るテストや、誤りから学び賢明な判断をする能力を試す作業でも同じく成績が悪かった。不運だと感じていることと、こうした技能が不足していることの直接的な因果関係は明らかではなかったが、研究者らはこの2つは双方向に働く可能性があると記している。

 また、大切な価値観について考えることでも、ストレスが和らぎ、難しい仕事の出来が良くなる可能性があることも分かっている。UTとノースウエスタンの研究の被験者は、自分たちにとって重要な価値観を確認できるような任務を与えられると、あわてることが少なかった。

 前述のリーゼン氏は、もう一つ役に立つテクニックは頭の中でのタイムトラベルだと指摘する。つまり、将来の自分を想像してみることだ。不運が去った後には、人に語れる面白い話があることを考えてみる。

 木を軽くたたくといった迷信めいた動作も、前向きの期待を注入することで助けになる可能性がある。そうしたやり方には認知の具現化と呼ばれる現象が含まれる。人の思考がその人自身の身体の動きによって具体化するというものだ。同様に、幸運のお守りを身に着けることや四葉のクローバーを見つけることで、不運から身を守ったり、幸運を引き寄せたりするかのような前向きな期待が生まれる可能性もある。

By SUE SHELLENBARGER

引用:不運続きの1週間、流れを変えるコツとは


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