(朝鮮日報日本語版) 【コラム】中国の「素顔」が韓国にもたらすチャンス



 ある会合で中堅塗料メーカーの経営者と会った。彼は最近特殊塗料を生産するドイツ企業が韓国・京畿道で工場設置を準備していると語った。その企業にとって最大の市場は中国だ。だがなぜ韓国に工場を建てるというのか。彼は「最近中国では企業を取り巻く環境が極度に悪化しているからだ。政府規制と中国企業による横暴が強まり、国際標準とかけ離れた中国式の経営環境に危機感を感じたのではないか」と話した。そして、「韓国は地理的に中国と近い上、企業環境面で中国よりも安定的だと判断したようだ」と付け加えた。実際それらはいずれも我々が既に知っている中国の問題点だったが、韓国にプラスに働いているという点が興味深かった。

 中国で続く終末高高度防衛ミサイル(THAAD)関連の報復措置はあまりに稚拙なものだ。ビタミンが含まれているという理由でキャンディーを医薬品として通関するように指示されたり、商品に表示された日付(例06-19-2017)からハイフン(-)を取り除かないと通関できないと言ったりだ。国際社会のリーダーたるG2(二大国)と呼ぶには情けない水準だ。さらには、小学生を動員して反韓デモや韓国商品不買運動まで展開した。

 専門家の多くはTHAAD問題が韓国に意外なプレゼントをくれたと語る。いつかは直面することになる中国の素顔を少しでも先に体験し、備えを固めることができたからだ。もう一点付け加えることがある。中国の素顔を韓国がうまく利用しさえすれば、別の意味で「中国特需」が来るかもしれない。現在中国が見せる素顔を韓国のみならず全世界が見守っている。冒頭に触れたドイツ企業の韓国進出はそうした観察の結果だ。

 アウトドアシューズ業者のトレックスタ(Treksta)はこのほど、中国工場を閉鎖し、22年ぶりに釜山へと生産拠点を回帰させることを決断した。来年には釜山のノクサン国家産業団地にスマート工場を設置する。同社は1990年代、韓国国内での賃金上昇、採算性悪化に耐えかね、中国に生産拠点を移した。ところが、中国でも賃金が上昇したほか、外国企業に対するさまざまな優遇政策が少なくなり、反企業的な中国の素顔まで明らかになった。このため、韓国へのUターンを決めたのだ。韓国で生産を行い輸出する場合、関税がかからない韓中自由貿易協定(FTA)の存在も一因だ。

 韓国はこれからどうやっていくかが重要だ。アジア市場を狙う世界的企業の韓国誘致に死活を懸けるべきだ。規制改革と積極的な市場開放、税制優遇などが伴わなければならない。また、施行から4年目でようやく効果を上げ始めた「Uターン企業支援法」(海外進出企業の国内回帰支援に関する法律)の実効性を高めていく必要もある。製造業の海外工場の雇用が10%(29万人分)回帰しただけでも、韓国の青年失業者の60%の雇用問題が解決される。雇用創出にもたついている場合ではない。

引用:(朝鮮日報日本語版) 【コラム】中国の「素顔」が韓国にもたらすチャンス


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